The cat of promontory
岬の猫
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膠原病(こうげんびょう)[Collagen Disease]

 人体は約60兆の細胞から成り立っていると言われています。細胞間には結合組織と呼ばれるものが存在し、
細胞同士を接合する、細胞に栄養を送る、細胞から老廃物を受け取る等の役割を担っています。この結合組
織(主にコラーゲン)にフィブリノイド変性という特有の病変を起こす病気の総称です。
 1942年、病理学者クレンペラー(Paul Klemperer・1887-1964)によって初めてこの病気の概念が提唱
されました。それまでは病気は特定の臓器が障害されて起こる(モルガーニの学説・臓器病理学)と考えら
れていましたが、クレンペラーの発見と研究により、結合組織に発症し、多臓器が多発的に侵される病気の
存在が明らかになったのです。
 膠原病には、全身性エリテマトーデス(SLE)・強皮症(PSS)・結節性多発動脈炎(PN)・多発性筋炎
および皮膚筋炎(PM/DM)・混合性結合組織病(MCTD)・顕微鏡的多発血管炎(MPA)・慢性関節リウ
マチ(RA)・悪性関節リウマチ(MRA)等があり、その多くは日本では厚生労働省により特定疾患(難病)
に指定されています。
 膠原病の真の原因は残念ながらわかっていません。そのため、現在の医学では根本的にこの病気を治すこ
とは困難です。薬(ステロイド ― 副腎皮質ホルモン ― 剤等)の服用と対症療法を中心とした治療で病気の
進行を抑えます。



膠原病は診断名ではありません






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